Rによる画像処理と心理計量

Rによる画像処理と心理計量

このページでは R 言語を用いた画像処理プログラミングと、その心理学への応用について解説します。

概論

画像処理 (Image processing) とは、画像に対して何らかの処理を施すことです。 処理の結果(出力)として画像を得る場合もあれば、何らかの記述を得る場合もあります。前者の例としては写真の明るさやコントラストを調整して見栄えが良い画像に変えることなどがあり、後者の例としては平均輝度など画像の要約統計量を得ることなどがあります。

画像処理プログラミング

imager は R で画像処理プログラミングをするためのパッケージです。画像のリサイズや回転、線画の抽出、モルフォロジー変換、空間フィルタリング、FFT、色空間の変換など、画像処理のための基本的な機能を備えています。R で画像処理をやりたい場合に手軽に使い始めることができて便利なパッケージです。

画像の輝度を任意の値に合わせる方法を考えます。ある画像の平均輝度が 0.5 だとして、これを 0.3 など別の値になるようにしたい、ということです。ここではガンマ補正を用いた方法を解説します。

画像のヒストグラム形状を画像間でマッチさせることで、画像の輝度やコントラストを同一にすることができます。

画素値を操作する際に、当該画素の周辺に存在する画素も用いて計算を行うことができます。例えば当該画素を含む周囲9ピクセルの画素値の平均を計算し、その値を当該画素の新しい画素値とする操作を行えば、画像をぼかす効果が得られます。このような画素値の処理の仕方を空間フィルタリングと呼びます。

画像のフーリエ解析について。

知覚心理学の教科書でよく見る2値化されたダルメシアンの画像がありますが、画像処理を使えばこの種の画像をいろいろと作ることができます。

物体画像のデータベースなどから得た画像は、多くの場合に物体の周囲に白い背景が付いています。実験では黒や灰色の画面に画像を提示することが多いので、画像をそのまま提示すると物体の周囲に余分な白色が出てしまいます。画像処理によって背景色を除去してみましょう。

統計的画像解析

人間は水平・垂直な方向の線分に対して感度が高いことが知られており、これは Oblique effect と呼ばれます。人間が生活する視環境の中に水平・垂直の成分が多く含まれることがこのような視覚特性をもたらしているという可能性が指摘されています(Coppola et al., 1998)。この分析方法を再現してみましょう。

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